Amazon QuickSight 2023年 アップデートまとめ
いわさです。
この記事は「AWS Analytics Advent Calendar 2023」の 18 日目の記事となります。
2023 年も Amazon QuickSight ではたくさんのアップデートがありました。 本記事では今年 1 年どういうアップデートがあったのかを振り返りたいと思います。
去年も QuickSight 2022 年アップデートまとめを執筆させて頂きまして、その際はロールベースでアップデートを分類しておりました。
今年は全てのアップデートを列挙しつつ、DevelopersIO でブログ記事が見つかったものをリンクしております。
次の 56 件のアップデートがありました。
今回はこの中のうち、印象的だったアップデートをハイライト形式で拾ってみたいと思います。
アップデートハイライト
VPC 接続機能が新しくなり、マルチ AZ が必須に
QuickSight で RDS などの VPC リソースにプライベート接続を行う場合は VPC 接続機能を従来から使うことが出来ていましたが、この機能が新しくなりました。
構成画面の UI は変更となり、そしてマルチ AZ が必須になりました。
インポート・エクスポート機能の API が充実し始め、リストアやレプリケーションがしやすくなった
API のみでバックアップや移行に利用できそうな API が今年は登場し始めました。
次のようなインポート・エクスポートやスナップショット API が登場しました。
前年の re:Invent ごろに、QuickSight のアセットも IaC テンプレート化することが出来るようになりました。
このアップデートではその延長で、アセット一式の定義コードをバンドル化してインポートやエクスポート出来るようになりました。
さらに、年末が近くなると、EventBridge の統合機能が追加され、ダッシュボードが更新されたタイミングで上記 API を使って自動でバックアップとして取得しておくなど自動化と組み込みやすくもなりました。
分析画面が新しくなった
まず、7 月ごろに分析画面のメニューのみ新しくなりました。
その後 11 月ごろには分析画面全体がリニューアルされました。
上記ブログでは次のような gif を使って解説されており、使い勝手がかなり変わった様子がまとまっています。
IAM Identity Center との統合
従来も SAML を構成して頑張って IAM Identity Center と統合することは出来たのですが、このアップデートでかなり簡単に QuickSight と IAM Identity Center が統合出来るようになりました。
さらに、追加のアップデートで IAM Identity Center グループを API 経由で QuickSIght のグループにマッピング出来る機能も追加されたので、IAM Identity Center でグループの追加や変更などがあった際にも QuickSight へ連携しやすくなりました。
生成 AI が QuickSight にも
9月 に Bedrock が GA となったタイミングで、QuickSight にも生成 AI を使った機能がプレビューリリースされました。
通称「生成 BI」と呼ばれているやつです。
9 月時点では大きくは2つの機能がリリースされました。
ひとつは生成 AI へ自然言語で要件を伝えることで分析を作成・変更してくれる機能です。
もうひとつは要件を伝えることで、計算フィールドの計算式を生成してくれる機能です。
さらに、re:Invent では Amazon Q が登場し、QuickSight にも Amazon Q in QuickSight という機能が登場しました。
もう Q in QuickSight なのか QuickSight Q なのかわからないです。
Q in QuickSight では大きくは2つの機能がリリースされました。
ひとつは分析内容を説明する際に利用出来るデータストーリーを Amazon Q が生成してくれる機能です。
もうひとつはエグゼクティブサマリー機能というやつで、大量のシートやビジュアルで構成される分析でも生成 AI がサマリを生成してくれる機能です。
Q 系の機能は東京リージョンではまだ使えません。
re:Invent Expo の QuickSight ブースで「東京リージョンはよ」と伝えると「Bedrock がリリースされてるならすぐ来るはずです」と言ってました。本当か?
タイムゾーン変更
これは念願だった方も多かったと思うのですが、分析やダッシュボードで扱うタイムゾーンが設定出来るようになりました。
これまで UTC 固定で困るシーンがよくあったと思うのですが、JST を設定することが出来ます。
外部接続
StarBurst など、いくつかデータソース接続先が追加されましたが、驚いたのが Google BigQuery のネイティブ接続がサポートされましたね。
従来はそのまま接続出来ずに、代替の接続を行っていた方も多いのではないでしょうか。
DeveloperIO 上にはまだやってみた記事がないのですが、おそらく明日公開されるようです。
さいごに
今年も Amazon QuickSight アップデートを振り返り、まとめてみました。
最新機能が取り入られつつも、これまで要望が多かった機能などが実現出来るようになってきていると感じます。
QuickSight Community などを覗くと結構ユーザーフィードバックが取り入られているのがわかるので、とても良いですね。
私の感覚では今年も相変わらずアップデートがガンガンされてるなという印象です。全くアップデートされていないサービスがあることも知っているので、投資されてるようで嬉しいです。
明日の「AWS Analytics Advent Calendar 2023」、19 日目の投稿は 2023 Japan AWS Top Engineers (Analytics) でもある新納さんです。
QuickSight の記事やご登壇などいつも参考にさせて頂いておりまして、明日の記事も楽しみにしています。