Amazon QuickSight 2023年 アップデートまとめ

Amazon QuickSight 2023年 アップデートまとめ

Clock Icon2023.12.18

いわさです。

この記事は「AWS Analytics Advent Calendar 2023」の 18 日目の記事となります。

2023 年も Amazon QuickSight ではたくさんのアップデートがありました。 本記事では今年 1 年どういうアップデートがあったのかを振り返りたいと思います。

去年も QuickSight 2022 年アップデートまとめを執筆させて頂きまして、その際はロールベースでアップデートを分類しておりました。

今年は全てのアップデートを列挙しつつ、DevelopersIO でブログ記事が見つかったものをリンクしております。
次の 56 件のアップデートがありました。

発行日 タイトル DevIO記事リンク
2023/01/25 Amazon QuickSight のピボットテーブルのフィールド上限が引き上げられ、パフォーマンスが向上 リンク
2023/01/25 Amazon QuickSight のテーブル用データバーをリリース リンク
2023/01/30 Amazon QuickSight がレーダーチャートに対応 リンク
2023/02/22 Amazon QuickSight を使用すると、Amazon S3 と Athena に接続するデータソースへのロールベースのアクセスコントロールが可能になります リンク
2023/03/09 Amazon QuickSight におけるデベロッパー体験が SDK 2.0 により向上 リンク
2023/03/13 Amazon QuickSight に、ピボットテーブルの [折りたたまれた列を非表示] コントロールが追加されました リンク
2023/04/07 Amazon SageMaker が Amazon QuickSight との予測の共有をサポート -
2023/04/10 Amazon QuickSight が OR 条件付きの行レベルのセキュリティタグに対応 リンク
2023/04/27 Amazon QuickSight が 2 種類のデータインジェスト API スイートを発表 -
2023/05/05 Amazon QuickSight がスライスとダイスの体験を最適化するデータセットパラメータをローンチ リンク
2023/05/08 Amazon QuickSight がマルチ AZ をサポートするパブリック API 経由の VPC 接続をサポート リンク
2023/05/08 Amazon QuickSight が埋め込みダッシュボードの状態の永続性とブックマークをサポートするようになりました リンク
2023/05/09 Amazon QuickSight にさらなるユースケースをサポートする新しい散布図オプションを追加 リンク
2023/05/15 Amazon QuickSight が SPICE のパフォーマンスを最適化する共通部分式削除をリリース -
2023/06/05 Amazon QuickSight が地図上のポイントで利用できる地理空間ヒートマップを提供開始 リンク
2023/06/07 Amazon QuickSight が、アセットのデプロイを自動化および高速化する API をサポート リンク
2023/06/08 QuickSight が、標準化されたユーザーレベルのコストと使用状況データの提供を開始 -
2023/07/13 Amazon QuickSight にスモールマルチプルとレーダーチャート用の軸のカスタマイズオプションが追加 リンク
2023/07/13 Amazon QuickSight が分析とダッシュボードのための統一されたカラーエクスペリエンスを提供開始 リンク
2023/07/25 Amazon QuickSight がSnapshot Export API のサポートを開始 リンク
2023/07/25 Amazon QuickSight が分析ファイルメニューを導入 リンク
2023/07/25 Amazon SageMaker Canvas で Amazon QuickSight との ML モデルの共有をサポート -
2023/08/09 Amazon QuickSight が埋め込みコールバックアクションのサポートを開始 -
2023/08/11 Amazon QuickSight がピボットテーブルの階層レイアウトを開始 リンク
2023/08/14 Amazon QuickSight で AWS IAM アイデンティティセンターとの統合の一般提供を開始 リンク
2023/08/25 Amazon QuickSight のスケジュールされたエクスポートとプログラムによるエクスポートが が Excel 形式でも可能に リンク
2023/08/31 Amazon QuickSight が、マルチテナント設定でアセットを大規模に共有するためのスケールインされる共有フォルダの提供を開始 リンク
2023/09/14 Amazon QuickSight、テキストボックスの表示にピクセルベースのフォントサイズとテキストの強調表示を導入 リンク
2023/09/19 Amazon QuickSight の KPI ビジュアルに新しいレイアウトやスパークラインが追加 リンク
2023/09/25 Amazon QuickSight がテーブルの列のフリーズ/フリーズ解除を新たにサポート -
2023/09/26 QuickSight がコスト配分のためのユーザーへのタグ付けを新たにサポート リンク
2023/09/26 Amazon QuickSight がピボットテーブルでのコンテキスト行の小計を開始 リンク
2023/09/28 Amazon QuickSight 向けの生成系 BI ダッシュボードのオーサリング機能 (プレビュー) リンク
2023/10/06 Amazon QuickSight で Amazon SageMaker Canvas を使用した予測分析を発表 -
2023/10/09 Amazon QuickSight では Redshift データソースに対して IAM ロールとしてクエリを実行可能に -
2023/10/10 Amazon QuickSight にピボットテーブルの合計配置オプションが追加 リンク
2023/10/20 Amazon QuickSight で Trino への直接接続のサポートを開始 -
2023/10/20 Amazon QuickSight が Starburst への直接接続を新たにサポート リンク
2023/10/30 Amazon QuickSight が、テーブルチャートとピボットテーブルチャートのカスタム合計の機能をリリース リンク
2023/11/08 QuickSight が SPICE データセットで FLOAT データ型のサポートを開始 リンク
2023/11/14 Amazon QuickSight、アセット共有を管理するための制限付き共有フォルダとフォルダの寄稿者ロールをリリース リンク
2023/11/17 Amazon QuickSight、グループをロールに割り当てることにより、プログラムによるユーザーアクセス管理のサポートを開始 リンク
2023/11/17 QuickSight がカスタムタイムゾーンを提供開始 リンク
2023/11/17 Amazon QuickSight、ロールに基づく機能へのカスタムアクセスをリリース リンク
2023/11/17 QuickSight がカスタム週の始まりを提供開始 リンク
2023/11/20 Amazon QuickSight で Google BigQuery に対する接続のサポートを開始 -
2023/11/20 Amazon QuickSight で組み込みダッシュボードとビジュアルのランタイムフィルタリングのサポートを開始 -
2023/11/20 Amazon QuickSight が Amazon EventBridge を使用したアセットイベントを新たにサポート リンク
2023/11/20 Amazon QuickSight、アセットのアクセス許可とタグのエクスポートおよびインポートをサポート リンク
2023/11/20 Amazon QuickSight で組み込みダッシュボードとビジュアルのランタイムテーマ設定のサポートを開始 -
2023/11/21 Amazon QuickSight、SPICE 容量の自動購入をサポート リンク
2023/11/22 Amazon QuickSight の分析エクスペリエンスが一新 リンク
2023/11/26 AWS Analytics は IAM アイデンティティセンターによりサービスをまたぐユーザーのデータアクセスを簡素化 -
2023/11/26 Amazon QuickSight を利用したコストと使用状況ダッシュボードの発表 リンク
2023/11/28 Amazon Q in QuickSight で生成系 BI 機能を使用してデータ調査を簡素化 (プレビュー) リンク
2023/12/06 Amazon QuickSight の SPICE の取り込みパフォーマンスが並列取り込みにより最大 4 倍向上 -

今回はこの中のうち、印象的だったアップデートをハイライト形式で拾ってみたいと思います。

アップデートハイライト

VPC 接続機能が新しくなり、マルチ AZ が必須に

QuickSight で RDS などの VPC リソースにプライベート接続を行う場合は VPC 接続機能を従来から使うことが出来ていましたが、この機能が新しくなりました。
構成画面の UI は変更となり、そしてマルチ AZ が必須になりました。

インポート・エクスポート機能の API が充実し始め、リストアやレプリケーションがしやすくなった

API のみでバックアップや移行に利用できそうな API が今年は登場し始めました。
次のようなインポート・エクスポートやスナップショット API が登場しました。

前年の re:Invent ごろに、QuickSight のアセットも IaC テンプレート化することが出来るようになりました。
このアップデートではその延長で、アセット一式の定義コードをバンドル化してインポートやエクスポート出来るようになりました。

さらに、年末が近くなると、EventBridge の統合機能が追加され、ダッシュボードが更新されたタイミングで上記 API を使って自動でバックアップとして取得しておくなど自動化と組み込みやすくもなりました。

分析画面が新しくなった

まず、7 月ごろに分析画面のメニューのみ新しくなりました。

その後 11 月ごろには分析画面全体がリニューアルされました。

上記ブログでは次のような gif を使って解説されており、使い勝手がかなり変わった様子がまとまっています。

IAM Identity Center との統合

従来も SAML を構成して頑張って IAM Identity Center と統合することは出来たのですが、このアップデートでかなり簡単に QuickSight と IAM Identity Center が統合出来るようになりました。

さらに、追加のアップデートで IAM Identity Center グループを API 経由で QuickSIght のグループにマッピング出来る機能も追加されたので、IAM Identity Center でグループの追加や変更などがあった際にも QuickSight へ連携しやすくなりました。

生成 AI が QuickSight にも

9月 に Bedrock が GA となったタイミングで、QuickSight にも生成 AI を使った機能がプレビューリリースされました。
通称「生成 BI」と呼ばれているやつです。

9 月時点では大きくは2つの機能がリリースされました。
ひとつは生成 AI へ自然言語で要件を伝えることで分析を作成・変更してくれる機能です。

もうひとつは要件を伝えることで、計算フィールドの計算式を生成してくれる機能です。

さらに、re:Invent では Amazon Q が登場し、QuickSight にも Amazon Q in QuickSight という機能が登場しました。
もう Q in QuickSight なのか QuickSight Q なのかわからないです。

Q in QuickSight では大きくは2つの機能がリリースされました。
ひとつは分析内容を説明する際に利用出来るデータストーリーを Amazon Q が生成してくれる機能です。

もうひとつはエグゼクティブサマリー機能というやつで、大量のシートやビジュアルで構成される分析でも生成 AI がサマリを生成してくれる機能です。

Q 系の機能は東京リージョンではまだ使えません。
re:Invent Expo の QuickSight ブースで「東京リージョンはよ」と伝えると「Bedrock がリリースされてるならすぐ来るはずです」と言ってました。本当か?

タイムゾーン変更

これは念願だった方も多かったと思うのですが、分析やダッシュボードで扱うタイムゾーンが設定出来るようになりました。
これまで UTC 固定で困るシーンがよくあったと思うのですが、JST を設定することが出来ます。

外部接続

StarBurst など、いくつかデータソース接続先が追加されましたが、驚いたのが Google BigQuery のネイティブ接続がサポートされましたね。

従来はそのまま接続出来ずに、代替の接続を行っていた方も多いのではないでしょうか。
DeveloperIO 上にはまだやってみた記事がないのですが、おそらく明日公開されるようです。

さいごに

今年も Amazon QuickSight アップデートを振り返り、まとめてみました。

最新機能が取り入られつつも、これまで要望が多かった機能などが実現出来るようになってきていると感じます。
QuickSight Community などを覗くと結構ユーザーフィードバックが取り入られているのがわかるので、とても良いですね。

私の感覚では今年も相変わらずアップデートがガンガンされてるなという印象です。全くアップデートされていないサービスがあることも知っているので、投資されてるようで嬉しいです。

明日の「AWS Analytics Advent Calendar 2023」、19 日目の投稿は 2023 Japan AWS Top Engineers (Analytics) でもある新納さんです。
QuickSight の記事やご登壇などいつも参考にさせて頂いておりまして、明日の記事も楽しみにしています。

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